「百人斬り競争」訴訟、二審も本社などが勝訴

http://www.asahi.com/national/update/0524/TKY200605240390.html

焦点は「何が真実かをめぐって論争を呼ぶような歴史的事実に関する表現が、故人に対する遺族の敬愛追慕の情を違法に侵害したか」だった。判決は、違法に侵害したと言える前提として「摘示された事実の重要な部分が全くの虚偽であることが必要」との基準を示した。そのうえで、それぞれの記述は全くの虚偽とは言えないと判断。遺族側の主張を退けた。

この問題については、以前、本ブログで、

「誘拐殺害犠牲者の殺害場面公開について(若干の検討)」
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041112#1100260039

と取り上げたことがあります。
刑法では、

第230条
1 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

とされていて、2項との整合性から、裁判所は、上記の通り、「摘示された事実の重要な部分が全くの虚偽であることが必要」としたのではないかと推測されます。
判決文を、是非、見てみたいと思います。

監査法人アンケ:中央青山との契約企業、態度未定6割

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060525k0000m020086000c.html

企業側としては、コンプライアンスの観点から変更も検討したいが、簡単に変更できるものでもなく、どうしたものかと困惑、思案中、というところでしょう。

「ローマの休日」著作権 50年?70年? 激安DVD差し止め申請

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000001-san-soci

同法を所管する文化庁は、二十八年映画について「保護期間の終了した十二月三十一日二十四時と、改正法施行の一月一日零時は同時」とし、「改正法の施行時は著作権の保護期間内にあり、改正法が適用される」との見解を示している。

これに対し、一部の業者は「二十八年映画の保護期間は十二月三十一日で終了し、その後に改正法が施行された」と主張している。保護期間が終了した映画は「パブリックドメイン」(公共物)となり、自由に使うことができるとして、著作権料を払わずに激安ソフトの販売を始めている。

同社は警察に相談したが、「海賊版かどうかは司法判断がないと分からない」と回答され、申請に踏み切ったという。

文化庁の文化的な頭の中がどうなっているのかは、よくわかりませんが、通常、「12月31日まで」と言う場合、12月31日午後11時59分59秒の満了までを言い、「満了時」と、翌1月1日午前零時0分は、異なる時、というのが常識的な解釈でしょう。文化庁の論法なら、締め切りが12月31日まで、となっているものについて、1月1日の午前零時の時報が鳴った瞬間に提出してもセーフ、になるはずですが、それが認められる、という人は、通常の感覚を持っていれば、いないでしょう。
文化庁独自の文化的な解釈に、安易に同調しなかった警察は賢明だった、と思いますが、この文化的な解釈について、裁判所がどのような判断を示すかが注目されます。

「未必の故意」が焦点 佐賀男児ひき逃げ事件

http://www.sankei.co.jp/news/060525/sha049.htm

佐賀県警の調べに対し、県道三差路で家原毅君(11)をはね、頭の骨が折れた毅君を人通りのない林道まで運んで放置したことを認めた。「死ぬかもしれないが、それでもかまわない」という「未必の故意」が証明されれば、殺人未遂罪が成立する可能性がある。
容疑者の認識が焦点だが、事故現場には約50センチ四方の血だまりができるほどのけが。さらに、毅君の自転車は現場から50メートルほど離れた県道下で見つかっており、事故を完全に隠ぺいしようとした疑いが濃厚だ。

事実認定に慣れていなかったり、弱気な警察官や検察官は、この種の事件で、とかく「未必の故意」を口にしがちですが、上記のような事情があれば、「確定的故意」を認定する余地も十分あるでしょう。
ここまで大量に出血していれば、被害者が重傷を負っているのは明らかで、それを人通りのない林道までわざわざ運んで捨ててしまえば、通常、確実に死に至りますし、常識的に考えて、未必の故意程度でとどまっていたとは考えにくいと思います。
佐賀の警察や検察庁は、元々、能力に問題があるのか、あるいは、たまたま問題のある人が集まっているのか、本件でも職務質問の際に不手際があったようで、また、最近でも、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20051228#p3
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050511#1115772442

など、冴えない印象しかありませんが、適正、妥当な捜査を行い、証拠に照らし、適切な事件処理を行ってほしいと思います。

堀江被告「うほほ、そんなに」…宮内被告が供述

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000007-yom-soci

「うほほ。そんなにもうかっちゃうの。その金額、予算に乗せといて」
宮内被告の供述によると、2003年10月に開かれた会議で、グループ子会社の元社長から、粉飾の発端となった仕組みについて説明を受けた堀江被告は、そう言ってはしゃぐような様子を見せた。

検察官調書の中に、そういうくだりがあるのでしょう。ロッキード事件で、田中角栄元首相が請託を受けたとされる際の、「よっしゃ、よっしゃ」という言葉が思い出されます。
この種の事件では、最終的に、検察官調書の信用性が徹底的に争われ、有罪、無罪の決め手になることが非常に多く、検察庁内では、検察官調書作成にあたり、その供述者の体験に基づかなければ語り得ないような、真実性、迫真性のある供述を引き出し、調書化することが厳命されます。この「うほほ」という表現が、本当になされたかはわかりませんが、迫真性のある供述として裁判所の心証に強い影響を与える可能性はあるでしょう。